祖父母の家
2020年 08月 20日
解体する建物は祖父母が住んでいた住居部分で、
私が子供の頃に増築された建物です。(多分)
共働きの親に代わって、祖父母が親代わりでしたので、
小学校から「ただいま」っと帰っていくのはこちらのお家でした。
宿題をやったり、おやつを食べたり。
おやつはサツマイモの蒸かしたものや、ひじきの煮ものとかでしたけど(笑)
夕ご飯も、こちらのダイニングキッチンで祖父母と一緒に食べて、テレビも見て、
寝る時間に自宅に戻る。という生活。
あの頃は広々したダイニングキッチンだと思っていましたが、
案外狭かったです。
毎年、夏になると、親戚や、従妹たちが遊びに来て、
お昼に、祖母が作ったカレンジのジャムをフワフワの食パンに塗って
皆で食べるのが楽しみでした。
祖父は私の学生時代に亡くなり、
祖母はスペインに住んでいた時に亡くなりました。
連絡したって、海外からはどうせ帰ってこないだろう。と思った母は知らせてくれず、
新聞のおくやみ欄を見た私の友人が電話してくれて知りました。
90近い祖母でしたので、大往生です。
おばあちゃん、死んじゃったんだな。寂しいな。というくらいの気持ちだったのですが、
友人からの連絡を受け、そのまま職場に行って、祖母が亡くなった話をしましたら、
職場のみんなが泣きながら心配してくれて、
私もつられて泣いてしまい。
いつも怒ってばかりいる職場のオーナーが、ありとあらゆるツテを使って、
日本に帰る格安航空券を1日で手配してくれました。
(格安航空券は1か月以上前に手配しないと普通は取れなかったのですが)
そんな風に職場のみんなに大げさに見送られながら、2週間のお休みを頂いて、
「日本に帰るよ。」と国際電話をかけましたら、親戚一同が集合している最中で、
「えー!?わざわざ返ってくるの?もうお葬式終わっちゃうよー」と言われ、
従妹たちが、私も話したい!と代わる代わるに出ては「私、転職したの」などと、
呑気な近況報告をするので(笑)、
え!?そっちは、そんな感じなの?
とスペインの職場との違いに拍子抜けしました(笑)
日本から遠く離れたスペインで何十年も暮らしている人たちは
親が病気になっても帰れなかったり、看取る事が出来なかったり、
お葬式にも行けなかったり、
日本にいる家族に対しての様々思いが強いので、
私の祖母の死にも、自分の事のように深刻に受け止めて、
悲しみを共有してくれたのだと思います。
色々思い出してしまう夏。
老朽化に伴い、壊すことを以前から、計画をしていたのですが、
いざ、壊す。となると、やはり少し悲しいものです。
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by solaogplanta2
| 2020-08-20 00:47
| 日々の事