スペイン滞在記⑧お仕事
2018年 12月 27日
日本人女性オーナーが経営する免税店はこじんまりとしたお店でしたが、
従業員は10数名。スペイン人と日本人が半々くらい働いていました。
年齢も私くらいの年齢から、スペイン在住歴20年、30年のベテランの方までいて、
とにかくみんな仲が良くアットホームな雰囲気でした。
免税店の営業は普通のお店と少し違っていました。
お客様はほとんどが日本人のツアー客です。
ですので、店の営業時間は決まっていますが、
毎日、朝礼で「本日は何時に何名様の何々ツアーが入っています」という
スケジュールを聞き、その予定に合わせて、準備をし、
団体のお客様が到着しますと、免税の説明をし、お買い物をしていただき、
その後は売れた商品の補充や、掃除、後片付けをして、
また次の団体の準備をする。という流れです。
スペインは皮製品が有名で、店には様々革製品の他、オリーブオイルや、
チョコレートなどのお土産物が置いてありました。
それぞれ皮のコート、財布などの小物など。。。と担当が割り当てられ、
私はバックの担当になりました。
スペインの有名なブランドや、デザイナーのバック以外にも
フランスやイギリス、ドイツ、イタリアのバックなどもあったかな?
(もうだいぶ忘れましたが)
初日の接客で、8~10万くらいするブランドのバックを8個くらい売りました。
その当時まで、日本ではどれだけ出来る人間か。が仕事において重要で、
とにかく出来る人、会社にとって役に立つ人間にならなければと考えていました。
ですから、販売員として雇ってもらったのだから、良い所を見せて、
役に立つということで、職場の皆に好かれたい。と無意識に思ったのだと思います。
ところが拍子抜けするほど、売れるとか、売れないとかは関係がなかったです。
出来る、出来ない、役に立ってる、立ってないとか、
そんなことも職場では全然関係が無くて、特別出来る事をアピールしても、
私の見方が変わるでもなく、ミスしたからといって、ダメね。とも思われない。
すごくフラットなことにすごく驚きました。
バックがたくさん売れても、「あら、よかったわねー。
じゃあ一緒に在庫がまだあるか確認しに行きましょうか。」という感じで、
好かれるために頑張らなくても良いんだ。という事をここで初めて知りました(笑)
もちろん遅刻や無断欠勤などはしませんし、お客様が来た時にダラダラしたり、
おしゃべりしたり。。。などという事はもちろんダメですし、しませんが、
必要以上の事をすることもないですし、期待もされません。
スペインの人たちは会社のためや、仕事のために働いているのではなく、
自分の人生を豊かにするために働いていました。
ここで、初めて、自分の人生のために。という考え方を知りました(汗)
当時はフリーのお客様はほとんど来ることがありませんでしたので、
ツアー客の来ない時は暇なので、おしゃべりしながら、お掃除をするくらいで、
のんびりした職場でした。
お店は基本的に日曜日が定休日でしたが、
ツアー客は日曜日も、祭日も、クリスマスも、お正月もやってきます。
特にそういう日は他のお店が閉まっていることもあり、
免税店は貴重なお買い物の場所になります。
ツアーが入っている時は何名かが休日出勤になります。
正規の従業員や、スペイン人の従業員は休日出勤させますと、
休日手当を加算しなければなりませんし、
ましてやクリスマスやお正月は家族のいる方は優先的にお休みになり、
私みたいな非正規雇用の独り身の人間が、クリスマスもお正月も出勤となりました(涙)
確か9時半くらいに出勤し、午前中は13時頃まで、お昼はスペインでは
全員一度自宅へ戻ります。遠い人も近い人も、一度また自宅に戻り、
お昼を食べて、午後の出勤をするのが普通でした。
ですから、スペインでは1日4回の通勤ラッシュがおこります。
たかだか30分の道のりでも戻るなんて面倒くさいと思う私は
お弁当持参で、一人で休憩室で食べていました。
ですから、お昼休憩は2時間ありました。
その後、15時半くらいから午後の仕事で、終わるのが19時半。
家に帰ると20時過ぎになります。
働くようになってからは 朝起きて、ご飯を食べて、バスに乗って出勤し、
働いて、家に帰ってご飯を作って食べて、シャワーを浴びて寝る。
という、スペインにいても、日本と全く変わらない生活が始まりました。
これが、旅行感覚と生活の分かれ目ですね(笑)
そして、そんな風にフルタイムで働いても、
日本円に換算して、85000円くらいのお給料に、高校生のアルバイトか!?
と、初めは愕然としました(笑)
物価も安いので、生活はしていけます(笑)
マドリードから気軽に行ける観光地、トレド
古い町並みがとても素敵です。
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by solaogplanta2
| 2018-12-27 00:11
| スペイン