スペイン滞在記⑦お仕事探し
2018年 12月 26日
スペインにやってきて、3カ月目くらいには
語学学校もデッサンの学校も、授業料を払う余裕は無くなりました。
楽しかったスペインでの生活ももう終わりです。
友人に「お金が1万円になっちゃったから、そろそろ日本に帰るね」と言いました。
(結構ぎりぎりまで粘りました(笑))
すると、その友人が普通に「え!?働かないの?」と言いましたので、
「え!?働けるの?」と反対に驚きでした。
EU加盟国の人たちは加盟国間であれば、滞在にビザも要りませんし、
労働許可証が無くても、働けます。
そのため、そういう反応だったのかもしれませんが、
EUとは関係ない日本人はそうは簡単にはいきません。
ビザなし滞在は3カ月以内、それ以上は学生ビザや滞在許可証がいりますし、
働こうと思えば、労働許可証が必要です。
ただ、この労働許可証は働く会社が書類を申請しなければ発行されないものなので、
働く場所も決まっていない人間は労働許可証を申請することも出来ません。
ところが、現地で就職活動をすると、労働許可証を持っていないと雇えないと言われます。
労働許可証を申請するには会社はたくさんの書類を作り、
それらがすべて基準をクリアしないと書類が通りませんし、
申請がおりるまで、早くても半年、長い人は2,3年かかった人もいました。
そういったもろもろが非常に面倒なので、現地の会社はすでに労働許可証
を持っている人、もしくはスペイン人と結婚している人を希望していました。
(この当時情報ですけど。今はスペインでもワーキングホリデーがあったりしますし)
ですが、その時は何も分かりませんでしたの、やってみなければ分からないよね。
と気楽に考えて、公衆電話に行き、電話帳のジャパニーズレストランへ
1件1件電話をかけてみました。
スペイン語も話せませんでしたけど、「日本語話せる方いますか?」と言って(笑)
1件目から、「まず労働許可証を持っていますか?」と聞かれました。
持っていません。と言うと、「それではダメですね」と断られます。
やっぱりそうか。と思いながら、1件1件かけていきました。
最後の1件で、出た女性は労働許可証のことは聞かず、「スペイン語は話せるの?」
でしたが、「話せません」と言うと、「じゃあダメじゃない」と言われました。
ごもっともです。やはり色々無謀だったな。と思いながら電話を切ろうとしましたら、
「レストランはスペイン語話せなくっちゃだめよ。でもね、免税店だったら
日本人のお客さんも来るから。。。あなた、今すぐちょっと店に来なさい」
と、まくし立てるように言われ、「今からですか!?」と
大慌ててで、公衆電話からそのままお店に向かいました。
電話に出た方はスペインでレストランと免税店をやっている日本人オーナーさんでした。
「何!あなた、履歴書も書いてこないで来たの?本当に常識ないわねー!」と
怒られながらも、なぜか雇ってもらう事になりました。
労働許可証の申請もしてもらえるということで、
電話をかけたその日から、スペイン第2章が始まることになりました。
ただ、その時、実はまだスペインに住むぞ。というまでの覚悟はできていませんでした。
それまでは ちょっと長い旅行感覚で、楽しい思い出作りくらいの気分でいましたので、
これからこの国で働いて、暮らしていくことになるのだ。と思った瞬間、恐ろしくなり、
その晩はスペインに来て初めて泣きました(笑)
マドリードの中心街にあるレティーロ公園
・
by solaogplanta2
| 2018-12-26 00:10
| スペイン